豚の品種と三元豚の意味、栄養は?
豚はイノシシ科の動物で、長い年月をかけて野生のイノシシが家畜化されたものです。世界には、400~500品種もの豚がおり、これらの中で多く飼われている品種は100種、中でも改良されて優良な品種は約30種です。
目次
豚の品種はヨーロッパ系とアジア系って?
豚の品種は大きく分けてヨーロッパ系とアジア系に分かれ、アジア系には、中国原産の梅山豚や金華豚、台湾の桃園種などがあります。
ヨーロッパ種は、大ヨークシャー、中ヨークシャー、バークシャー、ランドレース、ハンプシャー、デュロックの他にドイツ産のゲッチンゲン(ミニチュア・ピッグ)やベルギー産のピエトレンなどがいます。
かつては、用途によって脂肪用(ラードタイプ)、加工用(ベーコン用)、生肉用(ミートタイプ)に分かれていましたが、現在は脂肪の需要も減り、ほとんが加工用に改良されています。日本でも、加工用のものを生肉用として食べています。
◆大ヨークシャー
大ヨークシャーはイギリスで改良された品種で、胴が長くベーコンを作るのに適しています。白色で大型、耳が立っているのが特徴です。繁殖能力と哺育能力(子どもを育てる能力)に優れています。
◆中ヨークシャー
中ヨークシャーはイギリスで作られたミートタイプです。白色中型で胴には幅があり、よい脂肪がつきやすいけれど発育がやや遅いという面もあります。耳が立って鼻が短く、しゃくれたような顔つきが特徴です。
◆バークシャー
バークシャーはイギリスのバークシャー州で作られ、日本では「黒豚」と呼ばれている中型の品種です。体は黒色で、顔と足、しっぽの先が白い、いわゆる「六白」です。
味はよいのですが子どもの数がやや少なめです。
◆ランドレース
ランドレースはデンマークでベーコン用に改良された品種です。頭が小さく、細身の白豚で、顔が長くて耳が垂れているのが特徴です。ももの肉付きがよいので、加工用には最適とされています。
◆ハンプシャー
ハンプシャーはアメリカで作られた品種で、白黒模様と立った耳が特徴です。背脂肪が薄く赤肉が多いのが特徴です。繁殖力・哺育能力に優れています。活発で放し飼いに適していますが、やや暑さに弱い傾向があります。
◆デュロック
デュロックはアメリカで作られたミートタイプです。赤肉量が多いので、生肉用の品種改良に多く用いられます。体は褐色で耳が垂れていておとなしく、そして暑さに強いので育てやすい豚です。
ほとんどの豚は三元豚って?
日本で多く飼われている品種(純粋豚)は、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックなどです。
しかし、市場に出回っている豚は、これらの純粋豚の特長をいかした雑種の豚です。
特に、系統同士のよいところを強めて、繁殖力を高め、肉づきや肉質をよくするために行われているのが、3種類の純粋種を掛け合わせる手法です。
よく見かける「三元豚」とは、品種のことではなく、3つを掛け合わせた豚という意味です。
日本では、ランドレースと大ヨークシャーを掛け合わせた雑種を母豚に、デュロックの雄を掛け合わせた肉豚が、市販の肉の多くを占めています。
豚肉の栄養って?
豚肉は、必須アミノ酸をバランスよく含み、私たちの体に効率よく吸収できる良質なたんぱく源でもあります。
豚肉に含まれるビタミンB1は、牛肉や鶏肉の5~10倍もあり、豚肉100gで1日の半分量のビタミンB1の必要量を満たせるほど摂取できます。
さまざまな部位の中でも、特にビタミンB1が多いのはヒレ肉やモモ肉です。
さらに、抗酸化作用のあるビタミンEが、レバーに多く含まれます。ヒレ肉やモモ肉は、脂肪分が少なくてヘルシーなのでおすすめです。