馬刺しの馬ってどんな馬?

目安時間:約 9分

馬刺しは、熊本県が有名ですが馬刺しになる馬の種類はあまり知られていません。

どのような種類の馬が使用されているのか、産地はどこなのか調べてみました。

 

馬の分類

馬は、一般的に軽種、中間種、重種と品種分類されている。

 

軽種

主に乗用や乗用の馬車をひくために改良された品種で、軽快なスピードとある程度の耐久力をもつように改良された馬であり、競走馬のサラブレッドはこの軽種に分類されている。

軽種馬・・・ サラブレッド、アラブ ・・・・600kg前後で、赤身が多い。

 

中間種

軽種と重種の交雑された種であり、両方の性質を併せ持った馬である。

中間種馬・・・セルフランセ、スタンダードブレッド、クオーターホース、ハクニー

 

重種

主に農耕や重量物の運搬のために改良された品種で、ペルシュロン、ブルトン、ペルジャン、ペルブルジャンなどの馬が該当する。

大きな個体では体重1トンを超えることも珍しくないそうだ。

重種馬・・・ ペルシュロン、ブルトン、ペルジャン、ペルブルジャン・・・800~1000kgで肉づきよくサシが入りやすい。

 

食肉としては、どちらかといえば、軽種よりも美味とされる重種馬が多く用いられている。

なかでも、ペルシュロン、ブルトン、ペルジャンの3種交配種であるペルブルジャンは特に美味で最高の肉馬と称されている。

 

馬肉になる馬の種類

ブルトン種

フランスの北西のブルターニュ地方が原産で、ブルターニュ地方の在来馬にペルシュロン、ブーロンネ、アルデンネなどの品種を交配し誕生した品種です。
体高は約150cm~160cmで毛色は栗毛や糟毛(かすげ)が多く見られ鹿毛や芦毛も見られます。
強力な筋肉を持ち、短い頸と太くてたくましい胴が特徴です
以前は4つのタイプの馬がいましたが、現在は2つのタイプの馬が公式に認められており、ポスティエ・ブルトンとトレ・ブルトンに分類されています。
ポスティエ・ブルトンはノーフォークトロッターやハクニーとの交配の結果に誕生しました。
また、トレ・ブルトンの方はアルデンネの血が入っており、ポスティエ・ブルトンよりもやや大柄で主に食肉用として生産されています。

 

ペルシュロン種

原産地はフランス・ノルマンディーで、成立は8世紀に遡りフランス原産の重種にアラブ種等の血が入っているとされる。
毛色は青毛、芦毛等が多く、体型はサラブレッドに比べ足が短く、胴が太い。体高は160~170cmで大きなものでは2mを超え、体重は1トンにもなる。
性格はおとなしく鈍重だが、非常に力が強い。
日本ではおもに北海道で導入され、ばんえい競馬にも使われている。

 

ベルジャン種

ベルギー・ブラバンド地方原産。
体高160~170cm、平均体重は900キロ前後。
原産地でのベルジャン種は他品種との混血が少なく、個体ごとの体格差は大きくありません。
しかし育種用に混血が進んだ個体では、大型の馬体が求められたため体高2メートル超、体重1トン以上の例も見られます。
ベルジャンの頭部は短く、太い頸を持ち、背中は短めです。

また、前後躯はガッチリとした作りになっています。
毛色は栗毛や糟毛が多く見られます。

 

ペルブルジャン種

ペルシュロン、ブルトン、ベルジャンの3種をかけあわせた馬がペルブルジャンです。

どの原種よりも味覚に富んでおり、最高の馬肉とされています。

 

 

馬肉の生産状況

国内の馬肉生産

国内馬肉生産(平成26年畜産物流通統計より)

  枝肉生産量(トン) 枝肉生産量(%) 屠畜頭数 屠畜頭数(%)
熊 本 2396.0 45.00 5999 44.52
福 島 1154.5 21.46 2893 21.47
青 森 510.9 9.50 1280 9.50
福 岡 461.7 8.58 1157 8.59
山 梨 281.4 5.23 705 5.23
秋 田 136.0 2.53 341 2.53
長 野 115.3 2.14 289 2.14
山 形 95.0 1.77 238 1.77
高 知 57.9 1.08 145 1.08
北海道 54.3 1.01 136 1.01
岐 阜 48.8 0.91 122 0.91
群 馬 40.4 0.75 101 0.75
栃 木 26.7 0.50 67 0.50
徳 島 21.6 0.40 54 0.40
沖 縄 21.5 0.40 54 0.40
長 野 14.7 0.27 37 0.27
その他 37.6 0.70 94 0.70
合計 5379.3 13474

 

海外からの輸入

馬肉の輸入

平成27年度

 

カナダからの輸入が60%である。

馬肉として輸入の場合は加工品(ドッグフードなど)への使用がほとんどである。

 

馬の生体輸入

食肉を目的とした馬の生体輸入頭数は、平成17年以降カナダのみで平成27年は4277頭。
それ以前はアメリカ、中国、オーストラリア、韓国から輸入していた。

 

熊本県の場合

 

馬刺しの産地

今まで国内で3ヶ月間飼育された馬ならば、原産国は日本になるというルールがあったのですが、2008年に熊本県内の食肉卸販売業者の偽装問題が発覚したことで平成16年にJAS法が改正され、「最も飼養期間の長い場所を原産地として表示すること」と変更されたのです。

 

馬肉は大きく分けて

①生粋の日本育ちの馬    

(県名・地名)産馬刺し、純国産馬刺し等  例:熊本産馬刺し

 

②海外や県外から輸入した馬を4ヶ月以上肥育した国内肥育馬

(県名・地名)馬刺し、国産馬刺し等    例:熊本馬刺し、国産馬刺し

 

③海外で加工されて日本へ運ばれてくる輸入馬肉

(国名)馬刺し等             例:カナダ産馬刺し

 

の3つに分けられる。

 

熊本県では、生粋の熊本育ちの馬は年間200頭ほどしかおらず、食肉処理される馬の70%以上がカナダなどから輸入された馬となっています。

 

福島県では、会津若松や喜多方などの“会津”地方において盛んで、馬肉において「西の熊本、東の会津」とも呼ばれています。

 

熊本と会津。両者が対照的なのが、熊本はサシの入った“霜降り”の馬肉文化に対し、会津は脂身の少ない“赤身”の文化。

これは、熊本が重種馬を用いるのに対して、会津は国産の軽種馬を主流としているからです。

 

とろける旨さは格別の熊本の馬刺しと、あっさりした美味しさが格別の会津の馬刺し。ぜひ食べ比べてみてください。

 

まとめ

産地によって馬刺しに多少の違いはありますが、馬刺しの風味や食感は馬の種類や飼料によって大きく変化しますので、同じ産地であっても、風味や食感が微妙に異なります。

そういった違いを楽しむのも馬刺しの醍醐味ですので、この機会に様々な地域の馬刺しを食べてみてはいかがでしょうか。

生で食べることの多い馬肉は安全なのか?

目安時間:約 4分

「天高く馬肥ゆる秋」ことわざがありますが、冬に向けて脂肪を蓄える馬肉は、9月〜11月が最も美味しい季節を迎えます。
生で食べることの多い馬肉は本当に安全なのか?

 

馬肉は安全なのか?

①反芻動物(複数の胃を持つ動物)ではないこと

反芻動物(牛・羊・鹿など複数の胃を持ち、一度胃に入れた物を再び口に戻して咀嚼する動物のこと)は腸管出血性大腸菌(O157等)を保菌しているケースがありますが、馬は胃が一つしかないので腸管出血性大腸菌のリスクが低いのです。
厚生労働省の資料による平成11年~22年度の調査でも馬刺しから腸管出血性大腸菌は検出されていません。
同時に、食肉による細菌性食中毒の原因となるカンピロバクターについても、リスクは低いといえます。

*カンピロバクター(ジェジュニ/コリ)は、食中毒を起こす病原菌です。

微好気性といって、酸素が少しある環境を好み、酸素が十分にある通常の大気や、逆に酸素が全くない環境では増殖できません。

また、発育(増殖)できる温度域は、30℃から46℃です。
主な生息場所はウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の消化管内で、これらの動物のふん便から検出されることがあります。

 

②奇蹄類であること

奇蹄類であることが挙げられます。馬は奇蹄類(ウマ目)といって蹄が一つです。

牛や豚は蹄の数が二つの偶蹄目に分類されますが、この蹄(ひづめ)の数の違いがウイルス感染の分野では重要な違いとなります。
口蹄疫と狂牛病というのはウイルス感染により起こりますが、これらのウイルスは偶蹄目の動物にのみ感染する病気ですので、奇蹄類である馬には感染しません。ですから馬は口蹄疫や狂牛病などの心配が無いのです。

 

③抗原度が低いこと

馬は抗原度が低く、アレルギーを起こしやすいと言われている牛や豚などに比べるとアレルギーを起こしにくいのです。
このように馬ならではの特性が、馬肉の安全性につながっています。

*東京医大式食物抗原強弱表より抜粋

抗原度(1) 抗原度(2) 抗原度(3) 医師の指示で試すもの
さより 兎肉 羊肉(マトン、ラム) 鶏肉及び卵
きす 馬肉 カンガルー肉 牛肉
ハタハタ 鹿肉 ぶり 豚肉

 

④冷凍処理していること

中心温度で―20℃で48時間・―30℃で36時間・―40℃で18時間を行えば馬肉に住み着くザルコシスティスフェアリーによる嘔吐腹痛を防げます。

2011年からは厚生労働省から流通過程で馬刺しを冷凍処理することを指示され、さらに安全に召し上がっていただけるようになりました。

 

生産者たちの”努力”があるからこそ生食が可能

馬肉の安全性は生産者たちおよび業者の努力によって保持されてきました。

生食用の馬肉を供給するために、設備や作業マニュアルを向上し、より高いレベルの安全性を追及しています。
当然、生産者だけではなく、飲食店の現場においても徹底した管理が重要になってくるので、馬肉の生食を守るためにも衛生管理を徹底していかなければなりません。
生産者の方、業者の方々の努力があってこそ、私たちは美味しい馬刺しが食べられているんですね。

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馬肉はヘルシーな食材なのか?

目安時間:約 4分

馬肉は「低カロリーで高たんぱく」であるというが、本当にヘルシーな食材なのか具体的に他の食肉と比べながら、馬肉のもつ栄養価の高さを調べてみよう。

 

馬肉はヘルシーな食材なのか?

赤身部分の豊富なタンパク質には、ペプチドという成分が含まれており、血圧降下や毒消し作用があります。

脂成分には、人の体内では作ることの出来ない善玉コレステロールの不飽和脂肪酸(リノレン酸・オレイン酸)が多く含まれており、これらの酸は必須脂肪酸と言われ、コレステロール値を下げたり血液循環を良くしたりします。

 

・馬肉は、牛肉の約1/3・豚肉の約1/2と、カロリーがとても低いです。
・馬肉の脂肪分には、人の体内では造ることの出来ない善玉コレステロールの不飽和脂肪酸(リノレン酸・オレイン酸)が多く含まれており、これらの酸は必須脂肪酸と言われ、コレステロール値を下げたり血液循環を良くしたりします。

 

その上、体内に留まらず血管にも付着しません。

不飽和脂肪酸ですので、融点も低く、食べた時に口の中で溶けてしまいます。

いくら食べても胸焼けがしません。

 

・馬肉の豊富なタンパク質にはペプチドが多く含まれ、ペプチドには保温効果があり血管を拡げる為、血圧を下げたり毒消しの効果があります。

 

・馬肉はミネラル類も豊富で、カルシウムは牛肉・豚肉の3倍、鉄分はほうれん草・ひじきより多く含まれています。

 

・馬肉に含まれている鉄分の種類はヘム鉄と呼ばれ、身体に吸収されやすい特徴があります。

 

・馬肉は、グリコーゲン(容易にブドウ糖に変化する人間のエネルギー源で甘味の元)が牛肉の約3 倍も多く含まれており、即効性のエネルギー源ですので、運動前やダイエットにも最適なお肉と言えます。

 

・特に馬肉を昔から食べる文化のあるフランスでは、アスリートやモデルが好んで馬肉を食べたり、お医者様が患者さんに馬肉を薦めたりしています。

日本でも、昔から薬膳料理として親しまれている文化があります。

 

 「馬肉」の知られざる健康効果とは

 

私たちが普段よく食べている牛肉と異なり、馬肉の場合は油脂の融点が低いため、人の口内の温度でも、口に含んだ瞬間にとろけるような食感と、独特の甘みを楽しむことができるため、いまや馬肉ファンはとても多いですね。

 

実は馬肉のカロリーも牛肉の5分の1程度の脂肪分しかないのです。
さらに、最近ではアスリートやモデルが好んで摂取しているのは、美肌作りや筋力UPに不可欠なタンパク質が豊富な点にあります。

加えて、低カロリー + 豊富なタンパク質に限らず、馬肉のタンパク質には血管を広げ、血流を促進する働きがあるペプチドが多く含まれているため、血圧を下げる効果も期待できるそう。

これは、高血圧の方にもおススメですね。

馬肉の部位、特徴、用途は?カロリーや栄養は?

目安時間:約 5分

牛肉や豚肉のように馬肉にも、いろいろな部位があります。

そして馬肉は、ヘルシーな食材といわれています。
ヘルシーな食材は栄養価が低いものが多いです。
ですが、馬肉はヘルシーなのにとても栄養価が高いって知っていましたか?

 

馬肉の部位、特徴、用途は?

◆たてがみ(コウネ)
首の部分で白いのが特徴。
脂なのにアッサリしていて食べやすい。

 

◆肩ロース
肩ロースは赤身と脂のバランスが良いといわれる部位。
味わいはさっぱりしていて、馬刺しやしゃぶしゃぶに用いられます。

 

◆肩バラ
サシが入りやすいバラ系の部位の一つ。
重種馬の肩バラは「霜降り馬刺し」の名前で商品化されることがある。
サッと炙って食べると、脂のジューシーさが楽しめ、美味しいです。

 

◆クロッド
上半身にあたる部位。
モモ系と同様に赤身のおいしさが味わえる部位です。

 

◆リブロース
牛肉でも高級部位として知られている。
肉のキメが、ほかの部位より細かく、美味しさと柔らかさで
商品価値が高い部位となっています。

 

◆サーロイン
リブロースと比べると、サシがやや少なめで赤身の比率が高いが、
肉はキメ細かく適度に脂がのっている。
牛と同様、馬肉のサーロインステーキも非常に美味。

 

◆ヒレ
赤身と脂のバランスが良い部位。
驚くほどの柔らかさで、ヒレの馬刺しは厚切りでも美味しくいただけます。

 

◆ふたえご
あばら部分の3肉層になった部位。
コリコリした食感で、ユッケや桜納豆に使われています。

 

◆バラオビ
後バラの中にある部位。
バラの中でも特に脂ののりが良い部位です。
脂ののっているバラオビは、焼きものや煮物なのど加熱料理として使いやすいです。

 

◆ランプ
お尻のところにある部位。
モモ系の中で、最も味がしっかりしています。
肉質もしっかりしているので、馬刺しで食べるときは
薄切りにすると美味しくいただけます。

 

◆外モモ
モモの中で一番大きな部位。
赤身そのものの味をしっかり楽しめる部位。
赤身の馬刺しとして商品化されることが多いです。
やや歯ごたえがあり、ステーキや鍋でも使われます。

 

◆内モモ
脂肪が少なく、外モモよりも肉質は柔らかめ。
内モモと外モモの味や肉質の違いはわかりにくいです。
外モモと同様、刺身、ステーキ、鍋に使われます。

 

カロリーは?

馬肉は100gあたり110Kcalと低カロリーで、鶏ささみと同じくらいのカロリーです。

 

栄養は?

馬肉は高タンパク、低脂肪の食材です。
タンパク質は、骨や筋肉、あらゆる臓器や皮膚・髪などを作る働きがあります。
さらに保温効果や血管を強くするペプチドが多く含まれています。

 

カルシウム、鉄分(ヘム鉄)も豊富で、カルシウムは豚肉の3倍、
鉄分はほうれん草やひじきより多く、豚肉の4倍・鶏肉の10倍あります。
貧血防止に最適です。

 

ミネラルやビタミンも豊富で、馬肉に含まれるビタミンは皮膚を美しく保ち、
病気の回復を助けるビタミンAや、糖質の代謝を促進し、ダイエットや
肥満防止効果のあるビタミンB1、赤血球を作って貧血を予防する効果や、
神経機能を正常に保つ効果、睡眠のリズムを整えるビタミンB12などが含まれています。

 

コレステロール値を下げたり血液循環を良くする効果がある、必須脂肪酸
(リノール酸、αリノレン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸)が多く含まれています。

 

ブドウ糖に変化し、エネルギー源となるグリコーゲンが入っていて、
過労気味の方や、貧血気味の女性にとってはおすすめの食材です。

 

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